●五級の昇級審査(2)

小豆沢武道場の午後7時。先輩方々が整列したところにギリギリに到着した私は、いつも遅れて稽古に参加していたので、初めて準備体操からスタートした。10分後には審査開始となった。2009年秋の昇級審査は、審査する師範が2名。受験者は五級が20代半ばの男性と50歳の私、四級が20代後半の男性の計3名。技をかける「取り」と受け身をとる「受け」のペアで行われる。審査では同等の力の相手をお願いするのだが、私には茶帯の先輩女性を付けていただいた。受験者並んで礼の後、師範が技を1つずつ発表する。①「正面打ち一教」(表の左右)(裏の左右)、②「正面打ち入り身投げ」(右左)、③「片手取り四方投げ」(表の左右)(裏の左右)、④「座技」(左右)の順番で、各技を「やめ!」と言われるまで続けるとのこと。表と裏のある技では左右の表、左右の裏という順番でやるところを、表の左右を多めに続けてしまい、裏の数が少なくなってしまった。女性の先輩も「裏」と小声で言ってくださり、集中していない自分に気づく。技の途中で止めたりすると減点といわれていたので、慌てないふりをして続けた。六段のS師範の「止め」があり、審査終了。先生方に礼、正面に礼、お互いに礼をして、今回の審査を終えた。賞味15分位で、あっけないくらいだった。剣道も空手道も形と組み手があるので、もう少し時間はかかるのだが。先輩方々は、審査が終わって「おめでとう」を言ってくださった。これで晴れて小豆沢武道場の仲間入りをさせてもらった感じだ。女性の先輩は「あんな緊張した日下部さんを見たのは初めて。もっとカッコよくのびのびやるかと思ったら、意外に固かったね」との感想。ドキドキはしなかったが、体が覚えきっていない自信のなさが固さに出たのだろう。次の半年後の四級の審査では、五級の技に1つずつ加えていく内容なので、五級の技は完璧にしていこう。

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