●六段の昇段審査は一発合格(2)

両日ともに晴れで気持ちが良い。外に並ぶこと1時間。体温測定と消毒と受付を済ませ、着替えをして防具を持ち審査会場に向かう。50歳以上の会場は5つあり、私は第4会場。七段審査のときは第5会場の最年長のグループになる。各会場は前半後半に人数が分かれ、私は前半最後尾のチーム。帰りが早くなるので良かった。私は早くも面をつけて立って待機した。五段審査のときに、待機中の態度に気を使わなかったことを反省していた。審査は会場に入ったときから始まっている。審査員は待機しているところから観ているはず。この5年間、五段審査の3回の不合格の迷いを具体的にし、出場した試合の反省も加え、出稽古こそコロナ禍でできなかったが、一回の稽古を審査の本番のつもりで臨んできた。それはすべてこの日のため。周囲はすっかりシニアである。その中に私は居るのだが、少しも馴染めない。1分間2回連続の審査が始まる。こんな情けない剣道で六段と言えるのだろうかと思った。今回の目標は「冷静に集中して今持っている力を出し切ること」。椅子に移動し、とうとう私の番。気位は最高に高くして、蹲踞も構えも気勢も堂々として立派に振る舞う。迷いのない打ちと残心。気合の声は高らかに、間合の理解を見せた。初立ちのメンが綺麗に入る。すべての所作に細心の注意を払い、美しく審査を終えた。後で係員の方からメンを誉められた。多分、私の剣道が一番良かったと思う。前半が終わり間もなく発表。最後に私の460Bの番号。ホッとした。剣道形の会場に移動する。心配だった形は今回も打太刀。他の受審者のレベルが低すぎるのを見て、お相手の男性にゆっくりやりましょうと告げるが、本番で相手は早くなりミスも多くなって困ったが、私は冷静に受け止めた。形の再審者は一人。私は一発合格できた。今回の合格率は31.8%と高かった。

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