私は個人戦の22番目。相手は西東京市のSさん。身長は同じくらい。「攻める、面」と心に念じて、試合開始。相面で面を取られ、次に面を取り、小手面の横面で旗が上がったが2本目にならず、不用意に入った小手で面を取られて勝負あり。渋谷の仲間は、「良い試合だった」と言ってくれたが悔しい。今年の稽古のテーマに掲げた"気合=自分の掛け声と間合い"を見つける、身に着けること。そして打ち切る面を打つこと。攻める形を68%はできたような気がするが、昨年は3回戦まで進んだので、もっと戦いたかった。渋谷区で顔なじみのHさんは、今回50代突入で初出場。私と同じく先に出るタイプなので、小手を狙われたと悔しそう。今更ながら話も弾み、貴重な50代仲間となった。今回の大会では、20代の出場者の中に、胴着の左腕に大きな桜の刺繍のある「特別術科訓練員(特練)」(全日本剣道選手権大会、全国警察剣道選手権大会、全国警察剣道大会、国民体育大会等の各種大会で上位入賞を狙うための強化選手と呼ばれる剣道の専門家)の2名を見かけた。所作から違う。キビキビと隙がなく、力強く攻めるキレのある剣道で美しい。まるで全日本男子レベルの女子版のよう。クセのないバランスの良い、お手本のような剣道と丹精な顔立ち。そのレベルの人がこの大会に出場してくるのはタイトル収集のためだろうか? 20代女子の決勝は実業団の優勝者の大塚家具同士の戦いとなって見応えがあった。渋谷メンバーの40・50代は、家庭を持つ母親。中学・高校・大学の子育て真っ最中で、日々ストレスと戦っている。剣道で家庭をナイガシロにしているのかバランスを取っているのかと話に花が咲いた。その側をお揃いの黒パンツスーツに身を固めた特練の20代の彼女達が、黒キャリアケースに入った防具を引きながら、颯爽とスッチーのように通り過ぎた。来年からは剣道のスケールアップを目指そうと思う。